Maintenance
維持管理・環境
点検・診断・維持管理計画
社会インフラの多くが一斉に老朽化する時期を迎え、橋梁・河川構造物・防災・減災施設などの長寿命化対策が喫緊の課題となっています。
長寿命化計画の策定には維持管理性だけでなく経済性も考慮する必要があります。そのためには、劣化・損傷等のデータ蓄積から、施設の劣化・損傷の「速度」や「要因等のメカニズム」を把握し「修繕等の対策費用」や「予防保全型維持管理によるLCC縮減効果」を検討する必要があります。
また、激甚化・頻発化する水災害や地震・火山による大規模災害リスクの高まりによるインフラの機能強化設計のニーズに対応しています。
インフラ点検
現地にて点検作業を行いインフラの健全度を把握します。また、蓄積された既存の点検データを確認して同種・類似の点検事例を参照し、損傷の速度や要因等のメカニズムを推定し、補修設計の基礎資料を整理します。
維持管理計画策定
点検・診断結果をふまえ、劣化度判定および性能低下評価を行い、修繕対策費用や予防保全型維持管理によるLCC縮減効果を比較検討して長寿命化計画を策定し、維持管理計画書を作成します。
老朽化対策設計
補修・補強が必要と診断されたインフラの設計を行います。激甚化する水災害や地震・津波などの大規模災害リスクの高まりに対しては、護岸のかさ上げ改修による機能強化や、既設海岸護岸の耐震設計などをします。
モニタリング
地すべり土塊や崩壊地などの変位量を継続観測し、災害の予兆の察知や観測値の分析による対策検討を目的として実施します。
当社では傾斜誤差0.5度で計測可能な傾斜計(商品名:MEREX-CR)、拡散レーザにより2点間距離を誤差±2.0mmで自動計測するレーザー変位計(商品名:MEREX-D)、今まで計測できなかった地中ひずみ量を計測する傾斜計(商品名:Dr.Clip)などをそれぞれ自社開発・販売しています。
これらは携帯電話回線でリアルタイムに遠隔確認でき、警報システムを組み合わせて地すべり監視やのり面工事の安全管理に活用しています。
構造物モニタリング
近接工事や地すべり等による橋梁などの構造物への影響を把握するため、孔内傾斜計・ひずみ計・水位計などを用いて地盤の観測を行うとともに、構造物の変位をモニタリングします。変位状況に応じて対策工の設計も行います。
地すべり観測
地表面の傾斜計・伸縮計や地中のひずみ計などにより、地すべり土塊の経時的な動きを観測します。当社では傾斜誤差0.5°で2点間距離誤差±2.0mmの高精度な斜面モニタリング機器などを自社開発・販売しています。
地すべり監視システム構築
「地表面の傾斜・移動量」や「地中のひずみ量」を携帯電話回線でリアルタイムに確認できる計測システムにより、地すべりを経時的に監視し、供用中の道路の通行可否判断や法面工事中の安全管理などに活用しています。
土壌・地下水汚染
土壌・地下水汚染は自然由来と人為由来があります。自然由来はトンネルや切土掘削による重金属の溶出や酸性水の発生などの汚染があり、人為由来は工場や排水施設などからの有害物質の漏洩や埋め立てた廃棄物中に含まれる有害物質の溶出などによる汚染があります。
土壌や地下水の汚染が発生すると、地下水の飲用利用や土自体の経口摂取により健康被害が生じることが懸念されます。よって、重金属などの有害物質の含有量・溶出量基準を超過した土壌について、場外搬出、不溶化による封じ込め、および吸着層による浄化などの対策を検討・提案しています。
自然由来土壌汚染の調査・解析
自然由来による土壌汚染にはトンネルや切土掘削による重金属の溶出や酸性水の発生などの汚染があります。調査では対象土壌に含まれる有害物質の含有量や溶出量を測定し、基準を超過していないか確認します。
人為的由来土壌汚染の調査・解析
人為由来による土壌汚染には工場や排水施設などからの有害物質の漏洩や埋め立てた廃棄物中の有害物質の溶出などによる汚染があります。調査では有害物質の含有量や溶出量を測定し、基準を超過していないか確認します。
汚染状況調査および対策検討
汚染物質や汚染規模といった汚染状況を調査します。調査結果にもとづき施工性や経済性などを考慮して工法を検討するとともに、実施設計・施工計画・養生期間のモニタリング手法の提案を行います。
自然環境
人と自然との共生や、環境負荷の少ない持続可能な社会の実現のため、河川や道路などの建設工事の前段階で環境調査を行い保全措置内容を検討します。
具体的には、希少種の生育状況や地域本来の生態系を把握するために、事業対象地における動植物の利用状況(出現種・分布・個体数など)を調査し、調査結果から建設工事による環境影響の予測・評価を行い、影響が生じる場合は回避・低減・代償の優先順位で環境保全措置を検討します。よって、環境への影響が最小限でかつ事業効果が得られる対策方法を提案します。
動植物調査
河川や道路などインフラの建設工事にともなう動植物への影響を検討するために、希少種や地域の保全対象となる動植物について、事業対象地における生育状況(出現種・分布・個体数・時間・時期など)を調査します。
環境影響評価
工事前の動植物調査などの調査結果にもとづき、建設事業が環境に及ぼす影響を予測・評価し、環境保全措置を検討します。評価結果は一般公開され、国民や市町村長、都道府県知事および環境大臣の意見を反映して修正します。
環境保全措置の実施
環境影響評価を建設事業に反映し、環境保全措置を実施します。保全措置の妥当性を検証するため、実施後は事後調査によりモニタリングを行います。事後調査結果は報告書にとりまとめて公表します。